9.新「植物生まれの酵素」の便秘解消効果
「植物生まれの酵素」は2016年9月に11億個の乳酸菌を配合してリニューアル発売されました。
したがってパッケージも、上のように、「
生きたまま腸まで届く乳酸菌プラス
」という語句を付け加えたものに更新されました。このページでは、乳酸菌がプラスされたことによって便秘解消機能がアップしたことを明らかにしたいと思います。
(1)便秘の原因と害作用
48時間以上も便通がなかったり、便意があっても排便ができず苦しむことが便秘とされます。
便秘は多くの女性の悩みの種と言われますが,年齢を重ねると男性にとっても問題になります。
厚生労働省が行った平成25年度国民生活基礎調査によりますと、便秘で悩む人は40歳以上では全体の80%に上ります。
便秘になれば食事もまずく、睡眠も十分とれず、健康な日常生活は遅れません。
@便秘の原因と種類
便秘は大きく器質性便秘と機能性便秘に分けられます。
@器質性便秘
大腸に慢性腸炎、腸閉塞、ガンなどがの病気があると、内腔が狭くなって腸内容物が通りにくくなり便秘となります。
このような便秘が器質性便秘と呼ばれます。
この便秘は手術など医師の治療が必要です。
緑・紫色の部分が大腸です
A機能性便秘
A弛緩性便秘
大腸を動かす筋力が低下し、腸内用物を送り出す蠕動運動が弱いために起こる便秘です。
もともと筋力が弱い女性や加齢によって増える便秘はこのタイプと言えます。
B習慣性便秘
便意を我慢することが習慣化すると便意そのものが起こらなくなって、便通が止まってしまうものです。
仕事などで時間に追われる男性に起こりやすく、常習性便秘とも言われます。
C痙攣性便秘
ストレスが強いと自律神経が不安定になり、胃腸の働きを異常にするため便秘になることがあります。
この場合、便秘と下痢を繰り返すことが多いです。
D直腸型便秘
排便の際に肛門括約筋が開くという排便反射がうまく働かなくて起こる便秘です。
E食事性便秘
欧米的な動物性タンパク質が多い食生活や食品添加物が原因で起こる便秘です。
A便秘の害作用
便秘は一般的に考えられている以上に悪い作用を果たします。
@腹部が張って重苦しく、気分がすっきりせず、頭が重かったり頭痛がします。
ひどくなると精神機能も障害されます。
A肌荒れ、吹き出物などの美容障害が起こります。
B腸壁に逆蠕動が起こり、大腸内のガスが小腸や胃に上がって疝痛や胃痛、胃拡張、胃潰瘍が起こり、もっとひどい場合には呼吸困難や心悸亢進を起こします。
C腸内に悪玉菌のえさとなる食べ物のカスが停滞し、悪玉菌までも増えてしまいます。
そうすると既にみたように悪玉菌はスカトール、インドール、アミン、フェノール、硫化水素、アンモニアなどの窒素残留物は、さらに強烈な発ガン物質であるニトロソアミンを創り出します。
また悪玉菌は胆汁をリトコール酸、デオキシコール酸などの二次胆汁酸に変化させます。
ニトロソアミンと二次胆汁酸がそろうと大腸がんの大きな原因となります。
最近女性にも大腸ガンが多くみられ女性のガンの第一位になっていますが、その原因は便秘から始まっていると言えます。
さらにこうした腸内の異常発酵や腐敗によって生じた毒素は血液に吸収され、全身に運搬され、いろいろな障害を起こし、全身のあらゆる臓器のガンを引き起こします。
B便秘の解消策
一般に勧められていることは、繊維質の多い野菜を十分にとる、適度な運動をする、冷水を飲むなどですが、あまり効果がありません。
そこから多くの人が下剤を使うことになりますが、下剤に頼っていては便秘の根治はできません。
便秘が腸内環境の悪化を招いているのですから、腸内環境を整えると便秘は改善すると考えられます。
腸内環境の改善をより強く意識して製造されたのが新「植物生まれの酵素」です。
(2)新「植物生まれの酵素」の成分と考え方
既にみたように「植物生まれの酵素」には発酵エキスをフリーズドライ製法で粉末にした際に「乳酸菌・オリゴ糖・食物繊維」が加えられ、腸内環境が整えられる効果が図られていました(5.「植物生まれの酵素」の5大特性)。
新「植物生まれの酵素」に追加された新しい成分は「植物性乳酸菌末(殺菌)」です。
この成分追加の意味を含めて、「植物生まれの酵素」の効果を考えてみます。
@プロバイオティクスとしての乳酸菌
プロバイオティクスとは「人体によい影響を与える微生物(乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌)あるいはそれらを含む食品や製品(ヨーグルトなど)を指します。
「植物生まれの酵素」の場合は有胞子性乳酸菌末(乳糖、有胞子性乳酸菌)と植物性乳酸菌末(殺菌)を指します。
@有胞子性乳酸菌末
旧版の「植物生まれの酵素」では乳酸菌は「有胞子性乳酸菌末」とのみ表記されていました。
乳酸菌は、発酵によって糖類から多量の乳酸を産生し、かつ悪臭の原因になるような腐敗物を作らない細菌類です。
A有胞子性乳酸菌
有胞子性乳酸菌は、「胞子の殻」を持った植物性の乳酸菌で、代表的な有胞子性乳酸菌であるラクリス菌が「植物生まれの酵素」では使われています。
ラクリス菌は菌の本体が胞子に包まれているので、胃酸や胆汁にも強く、生きたまま腸に届くことができます。
またラクリス菌は腸に届いてから排出されるまでの時間が長いので、健康に対する効果が高いと言えます。
ラクリス菌は1億個配合されています。
B乳糖
乳糖は食べ物に含まれる糖類の一種で、自然な形では牛乳や母乳に含まれています。
しかし乳糖はブドウ糖とガラクトースという二つの糖類が統合されてできた二糖類と呼ばれるものですので、直接牛乳の成分が「植物生まれの酵素」に含まれているというわけではありません。
乳糖は腸内の状態をよくし、エネルギーとなって体を構成する手助けをする役目を果たします。
A植物性乳酸菌末(殺菌)
これは具体的には「酒粕乳酸菌」で10億個配合されています。
乳酸菌は殺菌されても機能を失うわけではないことがわかっており、疾病予防効果などを有することが確認されています。
乳酸菌は、量を多く摂取することが大切と言われ、殺菌されたものの方がコンパクトにまとめて摂取可能となります。
この乳酸菌が追加されたことによって「植物生まれの酵素」は、より腸内環境を整える威力を増し、便秘を解消する機能が高まったと言えます。
Aプレバイオティクスとしてのオリゴ糖と食物繊維
プレバイオティクスとは、人体に有益な善玉菌のえさとなり善玉菌を増やす成分を含む食品のことです。
オリゴ糖は人の消化管では吸収されず、大腸に達し、善玉菌の一種ビフィズス菌のえさになります。
食物繊維(難消化性デキストリン)もオリゴ糖の一種ですが、胃や小腸で消化されず、便のかさを増したり腸の蠕動運動を促したりしますので、便秘改善に寄与します。
同時にビフィズス菌などの養分になり、腸内環境の改善に役立ちます。
Bシンバイオティクスとしての「植物生まれの酵素」
シンバイオティクスはプロバイオティクス(善玉菌)とプレバイオティクス(善玉菌だけの増殖を促す食品成分)を一緒に摂取すること、またはその両方を含む飲料や製剤を指します。
シンバイオティクスにより、腸内の健康を守ると同時に、さらに体調をよくすると考えられ、医療の現場において注目されている考え方です。
「植物生まれの酵素」は善玉菌とそのエサが同時に摂取されることを目指しているという意味においてシンバイオティクスの考え方を取り入れていると言えます。
(3)新「植物生まれの酵素」の効果
新「植物生まれの酵素」を飲んでみた感想を記します。
@整腸効果の向上
ここでいう整腸効果は「お腹すっきり」効果です。
「植物生まれの酵素」は以前からすっきり効果がありましたが、「酒粕乳酸菌」が10億個配合されることによってすっきり効果はさらに向上したように感じます。
飲んでいる限り便通に困難を感じることはありません。
毎日必ず排便できるので、そちらの方の不安や心配は全くありません。
精神的にもすっきりしています。
「酒粕乳酸菌」は、酒造メーカーではお手の物でしょうが、殺菌したものでも乳酸菌は腸内環境の改善に役立つことが確認され、使用する側も効果を確信して使用できています。
A体調が良くなった
「植物生まれの酵素」を飲み続けて、便通も順調で、特に体調も悪くなかったので、1カ月ほど飲むのを中断しました。
そうすると体調が何となく低下したような感じになりました。
暑いときは何もする気がなくなり、涼しくなっても夏の疲れが抜けないような状態で、気力がわいてきません。
気分が滅入り、抑うつ状態に陥り、本当にうつ病になったのかと思われるほどでした。
そのころ「植物生まれの酵素」がリニューアルされたことを知り、購入しました。
劇的に体調が良くなったとは言えませんが、抑うつ状態からは脱出することができました。
やはり酵素を摂取することが体調を維持する上では必要なことを実感しています。
B成分の配合に感心
このページでは、乳酸菌とオリゴ糖・食物繊維の関係を「シンバイオティクス」という観点から捉え返してみました。
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」という考え方はかなり以前からある考え方で、知っていましたが(鶴見隆史『「酵素」の謎』160ページ参照)、両者を総合したシンバイオティクスという方法がガン治療の現場などで利用され、手術後の感染性合併症を防ぐ方法として定着しているということを最近知りました。
そしてシンバイオティクスという考え方が「植物生まれの酵素」の成分配合の中に組み込まれていることを知り、感心しました。
善玉菌と一緒にオリゴ糖を投与すれば相乗効果で腸内で善玉菌が増殖するという効果があることが意図されていることに発酵のプロの専門的知識の深さを実感します。